ソニーネットワークコミュニケーションズ

「変化し続けているお客さまを知る。その強力な道具だ」 ーーソニーネットワークコミュニケーションズがContentsquareを選んだ理由

ソニーネットワークコミュニケーションズについて

 

ソニーネットワークコミュニケーションズは「INFRASTRUCTURE of CHANGE 人類の変化を支える、インフラへ。」をビジョンに掲げ、さまざまな通信サービスを提供しています。もともとは1995年にソニーグループの通信事業会社として創業し、翌1996年にISP(インターネットサービスプロバイダー)「So-net」の提供を開始しました。

現在はそのISP事業に加え、「NURO」ブランドとして光回線サービスやモバイル、AI、法人向けサービスを包括するネットワークサービス群を展開しています。

CXデザイン課は、So-net会員のサービス利用体験改善などを通した継続利用の促進と、デジタルマーケティングの活用による事業の成長を担っています。

分析ツールやテストツールを用いたウェブサイトの改善を主導するほか、社員によるツール利用を促進したり、社員の分析力を強化したりすることも担当しています。

課題

最大の課題は、「伝えるべき情報が、デジタル接点でお客さまにしっかりと伝わるようにすること」です。

お客さまのニーズに応えるには、私たちがどういった通信サービスを提供しているのか、サービスの価値が何であるのかを、デジタル接点でもしっかり伝えることが重要です。

そのためには、お客さまが本当に求めている情報は何かを正しく把握し、そのうえで当社サービスの魅力もしっかりと伝えられるようにしなければなりません。

しかし、これは簡単ではありません。その理由の一つとして、お客さまやお客さまを取り巻く環境は絶えず変化しており、お客さまのニーズも、それに対応すべく当社のサービスも、常に変化し続けているからです。たとえば、先に触れた新型コロナ禍によって、従来大量の通信が発生するのは「動画やゲームを中心とした夜の時間帯」という状況だったのが、一変しました。「日中にリモートワークをするユーザー」や「夕方に子どもが動画を見続けるユーザー」が劇的に増えたのです。それらの変化によって、当社がユーザーに提供すべき価値や伝えるべき魅力を見直すことになりました。

ですから、一度ユーザー調査をしたきりで顧客を理解したと思っていては、このような変化についていけません。課題である「伝えるべき情報が伝わるようにする」ことが、達成できないのです。

また情報を伝えるだけでなく、ウェブで契約や手続きを完結できるようにする必要もあります。よりスムーズな契約のためには、ウェブ契約を検討しているお客さまが完了までのプロセスのどこに疑問を抱いていて、どこでつまずいているかを可視化しなければなりません。

解決策

その課題に対するアプローチの一つとしてデジタル顧客体験アナリティクスを導入しました。Contentsquareを選んだ理由として、もともとは、Contentsquareの前身となる「Clicktale」を利用していたという経緯があります(※注釈)。しかし、Clicktaleがサービス終了となるタイミングでは、Clicktaleを使っていたからそのままContentsquareを継続したというわけではなく、まっさらから他社のツールと比較検討しました。

その結果、私たちの求めている機能や、やりたいことが実現できるソリューションはContentsquareしかないという結論に、あらためて至りました。

具体的な決め手となったのは以下の3点です。

①Webアクセス解析ツールやABテストツールと連携ができて、テストパターンがツール上でも見える

②ツールが提供する顧客行動の可視化と、当社の求める顧客理解やPDCAプロセスの回し方とが合致する

③データ保持期間が長く、テストや検証期間が長い場合も利用しやすい

特に重視していたのは、当社の採用しているテストツールやWeb解析など、他ツールとの連携が可能かどうかです。

さらに、連携だけでなく、これらのツール上で設定しているセグメントやテストパターンが同じように見えるのかも重視しました。ツールを使うために時間を取られるのではなく、課題発見や顧客理解に集中するためです。

また、当社の場合は、テストや検証の結果が出るまでに時間がかかることも珍しくありません。そのような場合にも過去に発生したデータまでさかのぼって分析できることが重要になるため、細かい点かもしれませんがデータの保持期間が長いというのも重要なポイントでした。

(※注釈)Contentsquareは2019年にClicktaleを買収し、その後、ClicktaleをContentsquareのデジタル体験アナリティクスプラットフォームに統合しました。参考プレスリリース

事例:改善のつもりが改悪に。再現動画でその「なぜ?」が判明

ウェブサイトの改修では、提供者側が「ユーザーがよりスムーズにアクションしやすくなるだろう」という仮説で付け足した情報が、逆効果になってしまうことがあります。その“足し算の罠”から、Contentsquareの「セッションリプレイ」機能を使うことで抜け出した事例です。

 

状況

So-netブランドで提供している光回線サービスにおいて、申込みフォームの完了率が大きく落ち込んでいる箇所が見つかった。具体的には、フォーム上、縦に並んだ4つの項目の最上部にある「回線の選択」を終えたユーザーのうち、92%以上がそれに続く「利用エリアの選択」、「利用場所のタイプ」まで進むものの、その下部に配置した申込みに進むためのボタンを押すのは57.6%にとどまり、40%強のユーザーが離脱してしまっていた。機会損失を回収できる可能性があるため、「なぜ、最後のボタンを押さないのか?」を究明し、改善の施策を打つ必要があった。

ゾーンベースのヒートマップ

 

最初に立てた仮説

なぜ、3つ目の項目まで進んできたのに最後のボタンで多くが離脱してしまうのか。次のような3つの仮説を立てた。

  1. ボタンに添えた文言に「入会」とあるため、「これを押すと直ちに申し込みが完了してしまうのではないか?」と不安になるのではないか。
  2. ランディングページから申し込みフォームに進んだものの、最終的に自分の料金がいくらになるか分からなくなっているのではないか。実際に、チャット機能のログを調べたところ、料金に関する質問がこのページで多く挙がっていた。
  3. その他にも、申し込み前にユーザーが確認したいと思う情報の提示が足りていないのではないか。

結果はマイナスに

比較画像2

ボタンの文言を「新規入会」から「申し込み手続きに進む」に変更するとともに、自分の料金が最終的にいくらになるか分かるように、料金表を追加した。

ところが、この改修の結果、最終的なコンバージョンがオリジナルに比べて23.76%も減少してしまった。

比較画像1

再現動画で「なぜ?」が浮き彫りに

そこで、Contentsquareのセッションリプレイ機能を使って、改修後のフォームのユーザー行動を再現動画で確認してみた。すると、オリジナルと同様に項目の1つ目から3つ目まではスムーズに進んでいくものの、改修版は料金表を追加したことで、それに付随する「注意事項」の欄に目をとめる行動が顕著に起きていた。

料金に対する不安を取り除くために料金表を追加したはずが、情報量を増やしたことで、以前は気にならなかったことが過度な注意を引いてしまい、ユーザーに不要な迷いを与える結果になってしまったことが読み取れた。セッションリプレイ

ソニーネットワークコミュニケーションズでは、このように根拠を持って仮説を検証できるのも、ユーザーがデジタル上の体験にどのように反応しているかをContentsquareでつぶさに観察できるからだと評価しています。テストの結果だけでなく、その結果に至った原因を正確に知ることで、新たな仮説をより高い精度で立てられるようになり、次のテストへと進めます。

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時代の変化によって、生活者・消費者がサービスや製品を利用する際の体験としてデジタル接点は不可分な存在になりました。またそこでの体験も目まぐるしく変わってきており、これまで当たり前だったことが、明日には急に変わってしまうこともあります。新型コロナウイルスの感染拡大とそれによって一気に進んだデジタルシフトは象徴的な例です。ほかにも生成系AIの出現も大きな変化をもたらそうとしています。
そのような生活者・消費者の体験はこれからも止まることなく変わり続けることでしょう。よって私たち提供者の側も、デジタルをうまく使ってお客さまを理解する取り組みを続けていくことになります。
Contentsquareには、これからもその強力な武器・強力なパートナーであり続けてほしいと考えております"

國弘 竜徳氏

ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社
ISP事業部 セールス&マーケティング部 CXデザイン課 課長

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